6つの要素を考えるだけで物語が作れる「グレマスの行為者モデル」

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「物語の全体像が決まらなくて執筆が進まない!」というのはよくある悩み。

たとえば私もプロット執筆の前に登場人物の関係性や、物語の大筋の流れが浮かばなくて困ってしまうことがあります。

てことで今回は「物語の全体像は6つのパーツでつくれるぞ!」という「グレマスの行為者モデル」をご紹介。

「まんがでわかる物語の学校」の冒頭でも紹介されている型ですな。

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昔話や古典小説に使われることが多い型ですが、近代的なストーリーにもしっかり応用できるのではないかと。とくにゲームシナリオとは相性が良いと思います。

ちなみに「まんがでわかる物語の学校」では「あらゆる物語は6コマ漫画で分解できるんだよー」てことが述べられていて面白かったです。

1 グレマスの行為者モデルとは

「グレマスの行為者モデル」は、フランスの言語学者A.Jグレマスが研究し発表した物語の型のこと。

グレマス曰く、物語とは

  1. 主人公
  2. 対象
  3. 送り手
  4. 受け手
  5. 援助者
  6. 敵対者

の6人が

  1. 欲望の関係:何かを届けたり探したりする主人公がいる
  2. 伝達の関係:主人公が誰かに依頼を受けてそれをおこなう
  3. 逃走の関係:それを邪魔する者がいて対立する

の3つの状態にあることだ!とのこと。

もうちょいわかりやすくすると以下のような感じですね。

  1. ①主人公は「探す」「届ける」のどちらかができる人物である
  2. ③送り手が主人公に依頼にくる
  3. 依頼の内容は②対象を「探す」or「届ける」のどちらか(届けるの場合は④受け手に届ける)
  4. ⑤敵対者が主人公をジャマする
  5. ⑥援助者の助けが入る
  6. 見事依頼を完了してめでたし

2 グレマスの行為者モデル具体例

いくつか具体例をご紹介しましょう。

2-1 王道RPGの場合

たとえば王道的なRPGなら以下のようなかんじです。

  1. ①主人公は勇者の末裔
  2. ③王様が主人公に②魔王討伐(④国民に平和を届ける)を依頼する
  3. ⑤魔王の部下たちが勇者のジャマをする
  4. ⑥仲間の戦士や魔法使いが助けてくれる
  5. 見事魔王を倒しめでたしめでたし

「まんがでわかる物語の学校」では、童話「赤ずきん」や小説「シャーロックホームズ」の例が紹介されていました。

2-2 赤ずきんの場合

  1. ①赤ずきんはおつかいができる子である
  2. ③母親は赤ずきんに「④おばあちゃんに③パイを届ける」よう依頼する
  3. ⑤オオカミが赤ずきんを食べようと罠を張る
  4. ⑥狩人がオオカミを退治する
  5. おばあちゃんにパイを届けることができて、めでたしめでたし

2-3 シャーロックホームズの場合

  1. ①ホームズは探偵である
  2. ③依頼人がホームズに③事件の犯人を捜す依頼をする
  3. ⑤犯人がホームズの捜査を妨害する罠を張る
  4. ⑥ワトソンの協力で切り抜ける
  5. 犯人を暴いて依頼が完了、めでたしめでたし

てな感じで、プロットの全体像が思い浮かばないときは、まず「グレマスの行為者モデル」でざっくり全体像を考えてみるといいかもしれません。

以上です。

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