YouTube漫画動画のスカッとシナリオ(プロット)の書き方
※この記事にはプロモーションが含まれます。
最近クラウドソーシングで「スカッと系漫画動画シナリオ」の仕事募集が増えてます。
それに伴って「やったことないけど、やってみようかなー」と迷ってるライターの方も多いのではないかと。
ただ、いざ執筆しようすると「どう書けばスカッとする内容になるか分からない」という壁にぶつかる方も多いのではないかと思うんですよ。
てなわけで今回は、私が仕事用に「構成コピー練習法」で作ったスカッと系プロットの型をご紹介します。
プロットの型とは「順番通りに指定された内容を当てはめれば物語がつくれるテンプレート」のこと。詳しくは「プロットの書き方入門」をご参照ください。
ラノベ、漫画、ゲームなど自分で考えた物語を手軽に発表できるようになった昨今です。 当ブログをご覧の方々の中には、実際に物語をネットで公開している方も多いのではないかと。 で、物語を書く者に必須のスキルといえば「プロットを […]
プロットの型は料理のレシピみたいなものなので、知っておけば執筆スピードが格段に上げりますし、あれこれ迷うストレスも減るので便利です。参考程度に。
- もくじ
1 スカッと系漫画プロットの型
私が作った「スカッと系プロットの型」は以下のとおりです。
おそらく、どんなジャンルやテーマにも対応できる型だと思います。
ちなみに文字数は8,000文字(15~20分の動画)を想定していますが、もっと短い案件なら黄色マーカーの部分だけでOKです。
1-1 三幕構成
まず、ざっくりと三幕構成をご紹介しましょう。
スカッと系シナリオは以下のような順番で展開されるのがセオリーです。
- トラブル:嫌な奴が理不尽に主人公を苦しめる
- 奮闘:主人公はトラブルを解決しようとがんばる
- スカッと:嫌な奴に天罰が下り主人公は平穏を手に入れる
各章をさらに3~4分割してみましょう。
第1幕 トラブル
- 状況説明:主人公の日常を描きつつ今後起こる問題を匂わせる
- 問題提起:敵が問題を起こし主人公と対立する
- 問題のエスカレート:敵の悪行をクローズアップし主人公たちに同情を集める
- 事件:主人公の日常が崩壊し窮地に陥る事件が起こる
※主人公には何の落ち度もないのに理不尽に苦しめられてしまうことが大切です。
第2幕 奮闘
- 奮起:劣悪な状況を跳ね返そうと主人公が奮起する
- 絶望:上手くいかなくて絶望し落胆する
- 助け:再奮起を決意する何かが起こる
- 好転:奮闘の甲斐あって状況が好転していく
※状況の改善はなるべく「棚ぼたな助け」より「主人公の努力」にした方がご都合主義観がなくていいと思います。
第3幕 スカッと
- 因果:敵に自業自得な災難が降りかかる
- 逆転:敵に天罰が下り下落する
- 解決:主人公の日常は前より良くなる
※敵には「本人の過失による災難」を与えましょう。
- NG:歩いてたら交通事故にあって大怪我した
- OK:自分が適当に整備した車に乗ってたせいで事故った
2 スカッと系プロット具体例
先ほどのプロットの具体例は以下のような感じです。
※言わずもがな著作権は私にあるので転載してクライアントに提出するのはおやめください(普通にバレるでしょうし)
第1幕 トラブル
- 状況説明:夢だったおもちゃ会社に勤めたサトシ(27歳)は上司Aのパワハラに困っていた
- 問題提起:サトシのミスを他の社員の前で怒鳴りつける上司
- 問題のエスカレート:最近は身に覚えのないミスまで押しつけられるようになった
- 事件:ストレスのせいでサトシは仕事のプロジェクトを台無しにするミスをしてしまう
第2幕 奮闘
- 奮起:ミスを真摯に受け止め、自分の能力を高める勉強を決意するサトシ
- 絶望:新商品を上司に提案するが却下され落ち込むサトシ
- 助け:サトシが頑張る姿を見て、同僚たちが歩み寄ってくる
- 好転:仲間たちの助けもあり新商品が完成、上司も渋々認めることに
第3幕 変化
- 因果:上司が自分のミスをサトシのせいにしていたり、サトシのアイデアを盗んでいたことが発覚
- 逆転:上司はクビになり、サトシは一つ上のポストに昇進
- 解決:パワハラ上司もいなくなり、以前より楽しく仕事ができるようになったサトシ
3 スカッと系アイデアを量産する方法
以下4つのテンプレートを埋めれば、スカッと系シナリオのアイデアを考えやすくなります。
- 主人公の名前、年齢、性別、職業:会社員、主婦、学生…etc.
- トラブルの種類、原因:パワハラ、騒音、浮気…etc.
- 敵に降りかかる災難:警察に逮捕される、ヤクザに連れ去られる、仕事をクビになる…etc.
- 敵に災難が降りかかる理由:法を犯していた、借金を踏み倒した、会社の金を横領していた…etc.
たとえば「2 スカッと系プロット具体例」の場合は以下のようなかんじですな。
- 主人公の名前、年齢、性別、職業:サトシ、27歳、男性、おもちゃ会社勤務
- トラブルの種類、原因:上司からのパワハラ
- 敵に降りかかる災難:仕事をクビになる
- 敵に災難が降りかかる理由:部下のアイデアを盗んだり、ミスを押しつけたりしていたため
参考程度に、もう1つ具体例を出します。
- 主人公の名前、年齢、性別、職業:アイ、23歳、女性、フリーター
- トラブルの種類、原因:隣騒音トラブル
- 敵に降りかかる災難:半グレに連れ去られる
- 敵に災難が降りかかる理由:借金を踏み倒していた
てな感じで、設定やアイデアに困ったら、この4つを埋めるように考えてみてくださいませ。
皆さんが遭遇したことがある「嫌な奴」をモデルにすれば作りやすいのではないかと思います。
ちなみに、アイデアが浮かびやすくなる習慣は「斬新なストーリーやアイデアを考える10の方法」でまとめてるので、こちらも興味があれば参考にどうぞ。
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以上です。