科学的イラスト練習法3選 絵を描くのに必要な能力を効果的に伸ばす方法

「絵を上達したければ、とにかく描きまくれ!」

というアドバイスも一理ありますが、どうせなら短時間でコスパ良く上達したいと思うわけです。

たとえば、一流になるための練習法を研究しているアンダース・エリクソン博士の書籍「超一流になるのは才能か努力か?」では

  • 「がむしゃらに練習すると逆に下手になる」

という研究データも紹介されてたりして、何とも悩ましいんですよ。

てことで以前、ノースカロライナ大学がまとめた「絵が上手い人に共通する3つの能力」を紹介したのですが、今回はその3つの能力を伸ばす練習法をご紹介します。

「絵が上手い」と評価されるヒトに共通する能力3選

「パレオな男」さんで紹介されていたデータなどを参照しましょう。

1 絵の上達に欠かせない3つの能力

ノースカロライナ大学がレビューした「絵が上手い人に共通する3つの能力」は以下のとおりです。

  1. 資料記憶力:一度資料を見れば覚えられる
  2. 描画力:資料のとおりに絵が描ける
  3. ミニマル力:シンプルな線と色でも伝える絵が描ける

いまいちピンとこない方は絵が上手い人に共通する3つの能力をどうぞ。

「絵が上手い」と評価されるヒトに共通する能力3選

具体的に、これらをどうやって練習すればいいかご紹介します。

1-1 資料記憶力を伸ばす:ビジュアライゼーション

前述したように「絵が上手い人は記憶力が良い」ことが判明しています。

たとえば277人の美学生を対象にした実験(※1)では、風景画、空想画問わず、絵が上手い人には記憶力の良さが確認されたんだとか。たしかに、記憶力がないと資料を見ても覚えてられませんもんね。

そこでトレーニングとして用いられるのがビジュアライゼーション、簡単に言えば条件付きの模写のことです。

  1. 描きたい絵を30〜60秒観察
  2. 観察した絵を隠す
  3. 記憶を頼りに絵を再現
  4. 描き終わったら元の絵と比べて再現度チェック

たとえば「ドラえもん」を描写するなら、以下のような手順となります。

  1. NetFlixなどで「ドラえもん」を一時停止し、60秒がっつり特徴を覚える
  2. 画面を消して記憶だけを頼りにドラえもんを描写
  3. 描き終わったら画面をつけて見比べる

慣れてきたら別のキャラ(のび太やしずかちゃんなど)で練習したり、確認時間を30秒に短縮するなど難易度を上げてみるといいでしょう。

1-2 描画力を伸ばす:ブラインド・コントア・ドローイング

描画力を伸ばすトレーニング法は「ミラー・ドローイング(※2)」という方法がありますが、もう少し簡単でやりやすい「ブラインド・コントア・ドローイング」を紹介します。

ビジュアライゼーションと同じく条件付き模写の一種で、やり方はかんたん、以下の条件付きで模写すればOKです。

  • 手と紙(タブレット)を見ずに模写する対象だけ見ながら描く

ペンタブレット(板タブ)を利用している方は手元を見ないことに慣れてそうなので練習しやすそうですね。

先ほどの「ドラえもんドローイング」を例にするとこんな感じです。

  1. NetFlixで「ドラえもん」を一時停止
  2. 手も紙(タブレット)も見ず、画面のドラえもんだけを見ながら手を動かす
  3. 完成した絵がイメージどおり描けてるかチェック

おそらくはじめはグチャグチャな絵になると思いますが、それはつまり「記憶と手の神経がバラバラ」ということ。

それを整えるのがブラインド・コントア・ドローイングの目的でございます。

変なトレーニング法ですが、絵画の世界では古典的なトレーニング法みたいなんで、絵を描く前のウォーミングアップとしてやってみるのもいいかもしれません。

1-3:ミニマルアート力を伸ばす:ビジュアル・セレクション

優れたイラストレーターは少ない線でも対象の特徴を掴み、描写できることがわかっています。

たとえば、LOの表紙を描いてるたかみちさんなどは、この能力がめちゃくちゃ高くて参考になるのではないかと。

あとは「お絵描きチュートリアル」のパク・リノさんなども惚れ惚れしますな。

ミニマル力を鍛えるトレーニング方法は、ビジュアル・セレクションが有名です。

ビジュアル・セレクションとは「線や時間、色などを制限して絵を描く」練習法で、たとえば以下のようにおこないます。

  • 服のシワやカゲなど細かい描き込みをしない
  • グレースケールだけで明暗を表現してみる
  • 60分以内など時間制限を設けて絵を描く

自分もなるべくシンプルな絵を目指してますが、いかんせんまだ手数が多くてゴチャゴチャしてしまいます。

↓こういう絵を1~2時間で描ければいいんですけどねぇ。

この絵のメイキングは「そのまま使える女の子ポーズ500で女の子のイラストを描いてみた」で公開しているので興味があれば参考程度に。

まとめ:今日からドラえもんドローイング!

以上が「科学的なイラスト練習法3選」でした。

自分は日々ビジュアルセレクションを練習していましたが、今後はドラえもんドローイングも取り入れてみようかと(笑)

余談ですが「制限」の中で研ぎ澄まされてきたミニマルアートといえば、日本の漫画やアニメが有名でしょう。

たとえば、私が大好きな藤子F不二雄先生のデフォルメされた絵は、昭和のクソ忙しい漫画家の「時間制限」から発展した技本ですし、ジャパニメーションの表現法も、限られた予算と人手で毎週アニメを納品するために磨かれた技術です。

きめ細かい絵を目指すのもイイですが、シンプルな画力もぜひ習得しておきたいものですねぇ。

以上です。