マインドワンダリング入門 集中力を上げる休憩の方法

集中力を発揮するには「意図的にボーっとする時間をつくるべし」という考え方があるんですよ。

心理学では「マインドワンダリング」「マインドレスネス」と呼ばれる概念で、思考があちこち彷徨っている状態を指します。集中の反対みたいな状態ですね。

名著「DEEP WORK」などによると、集中するタスクの前後に30~1時間「意図的なマインドワンダリング」の時間をつくれば、タスクの集中力が高まるそうです。

筋トレの合間に休憩しないと疲労でぶっ倒れるように、集中力が必要なタスクの合間にも休憩が必要なわけですな。

てことで今回は、マインドワンダリングのメリットややり方をご紹介します。

1 マインドワンダリングとは

マインドワンダリングとは「心ここにあらず」の状態のこと。目の前のことに集中できず注意が逸れまくってる状態を指します。

1つのことに集中する「マインドフルネス」がブームな昨今では「注意が逸れまくること」は悪習慣と思われがちですが、前述したように集中力を発揮することは筋トレと似たようなものなので、適度にガス抜きしないと効率が落ちてしまうんですよ。

具体的には、マインドワンダリングには記憶の定着や、アイデアを出すにに役立つ(※1)ことがわかっています。

とくにクリエイターのように脳を酷使する職業はマインドワンダリングで脳の緊張をリリースする時間が必須なので、是非毎日の習慣にしたいところですな。

詳しくは「クリエイティブ思考が身につく10の習慣 FUTURE INTELLIGENCE」もご参照くださいませ。

2 マインドワンダリングの効果

マインドワンダリングのメリットを認めるデータをいくつかご紹介します。

2-1 記憶定着率が良くなる

本を読んだあと10分間マインドワンダリングすると、記憶に残りやすいことがわかっています。

この実験(※2)はエジンバラ大学が61〜87才の男女33名を対象におこなったもので、デザインは以下のとおり。ちなみにこの実験ではマインドワンダリングのことを「ウェイクフルレスト」と呼んでいます。

  1. 本を読んでもらう
  2. 暗い部屋で10分間めをつぶってもらった
  3. 「2」をした被験者は「2」をしてない被験者より記憶定着率が10%高かった

「寝る前に勉強したことは記憶に残りやすい(※3)」というのは有名ですが、睡眠せずとも「5~10分のマインドワンダリングでも効果がある」わけですね。

2-2 アイデアが出やすくなる

「良いアイデアはマインドワンダリング中に浮かぶ」こともわかっています。

気が散りやすい人ほど創造性が高いことを示すデータは数多く(※4)、逆に1つのことに集中してると良いアイデアが出にくいんですよ。

詳しいことは「オリジナリティあるストーリーや設定を思いつく10の方法」をご参照くださいませ。

2-3 脳機能が上がる

意図的」なマインドワンダリングをしている人は、脳機能が高いことがわかっています。

ヨーク大学の研究(※5)によると、意図的なマインドワンダリングをおこなう人は脳の「デフォルドモードネットワーク」と「前頭頭頂ネットワークの結びつきが強い」ことがわかったそうな。

  • デフォルトモードネットワーク:記憶から情報を引き出す回路。アイデアを拡散させるのに必要。
  • 前頭頭頂ネットワーク:目のまえのことに集中するのに必要。

ざっくりいうと意図的なマインドワンダリングを習慣化すれば、良いアイデアを思いつく回路も発達するし、集中力を高める回路も発達するわけですね。

ただ、マインドワンダリングには「良いやり方と悪いやり方」があり、悪いやり方をおこなうとこれらのメリットが失われるのでご注意あれ。

3 マインドワンダリングのやり方

マインドワンダリングのやり方は以下のとおりです。

  1. タイマーを5~30分にセットし目を閉じる
  2. スマホも本も持たず、リラックスしながらボーっとする
  3. 浮かんできた想像を肯定も否定もしない

ようするに「スマホを触らず、決めた時間内ボーっと過ごす」と覚えておけばOKです。

スマホは休憩中の定番みたいになってますが、じつは意外と集中力を要するので逆に脳が疲れて休憩にならないんですよ。マインドワンダリング中にやっていいのは「妄想」「想像」のみです。

3-1 ベストなタイミング

マインドワンダリングは以下のようなタイミングでおこなうと効果的です。

  • アイデアを出したいとき
  • 勉強のあと記憶を定着したいとき
  • 集中力が必要なタスクに取り組む前後

筋トレのブレイクタイムと同じように「緊張を緩和したいタイミング」でおこなうといいでしょう。

3-2 ダメなマインドワンダリング

マインドワンダリングには「良いやり方」「悪いやり方」があることがわかっています。

  • 良い:時間を決めて「意図的に」マインドワンダリングになる状態
  • 悪い:気づいたらマインドワンダリングになっていた状態

前述したヨーク大学の研究(※5)によると、良いマインドワンダリングをおこなう人は脳のサイズが大きかったのに対し、悪いマインドワンダリングをおこなっていた人は脳のサイズが小さかったとのこと。

たしかに「気づいたらボーっとしてた…あぁ…時間がムダに…」という感覚だと挫折感でメンタル病みそうですもんね。「どうにでもなれ効果」の引き金にもなりそう。

逆に、マインドワンダリングをしっかりスケジュールに組み込んで「この時間は絶対ぼーっとするぞ!」と決めていれば、脳に良い影響があるわけです。

タイムボクシング」などでスケジュールを組むときは、カレンダーにマインドワンダリングの時間も書き込んでおくといいかもしれません。

自分は仕事や読書の前に15分「マインドフルネス瞑想」をして、仕事や読書の後は15分マインドワンダリングタイムにしています。

以上です。