クリエイターが金稼ぐと嫌われる:嫌儲バイアス対処法

嫌儲バイアスってのがあるんですよ。

ざっくり言うと「金儲けは汚い!」という考え方のことで、とくにクリエイターが「お金欲しいです」というと、フルボッコにされるのが世の常。

たとえばユーチューバーの人が有料メンバーシップをはじめると「金のためにやってる!もう応援しない!」みたいな意見がメラメラ燃え上がることもありますけど、あれです。

じつはこれ「人間誰しも生まれながらに備えた性質らしい」と主張するデータがあるんですよ。

あ…?

顕著バイアスはクリエイター生命を奪う原因になる面倒な問題です。てことで対処法をご紹介します。

お金は汚い!は人類の根源的感情?

言うまでもなく、お金を稼ぐことは悪いことではありません。

たとえばラーメンをいただくなら、ラーメンを提供するお店が求む価値を返すのが資本主義のルール。「あいつは金のためにラーメン売ってる!不純だ!」では世の中成り立たないのであります。

  1. ラーメン屋がお金をもらえない
  2. ラーメンを作れなくなる
  3. ラーメンを食べれなくなる

同様のことはクリエイターにも言えまして、たとえばユーチューバーの方がお金を稼げなければ動画を作れなくなるし、動画も生産されなくなるわけです。

なのでお金を稼ぐ行為は汚いどころか、富を分配する役割も備えてるのが本来の見識。

と、ここまでは社会人なら誰でもわかってるルールですが、ところが頭ではそう思っていても「お金目的の活動は汚い」と思ってしまうのが嫌儲バイアスの怖いところなのです。

エラスムス大学が「人は金儲けにどんな反応をするか?」を調べたデータを2つご紹介しましょう。

「儲けてる」だけで印象が悪くなる

1つ目の実験は以下のデザインでおこなわれました。

  1. 企業リストを見せ「この企業はどれだけ儲かってると思うか」と質問
  2. それぞれの企業に対する印象をヒアリング

結果は「儲けてる」という印象がある企業ほど悪い印象になるというものでした。

なんだとォ

具体的には「悪いことをしているに違いない」と思われるんだそうな。なるほど半沢直樹が大ヒットするわけだ。

どんな活動だろうと「営利目的」なだけで評価が下がる

つづいては、ある企業の活動内容を被験者に読ませる実験。内容は、

  • この会社は「営利目的」でコーヒーを販売している会社です
  • この会社は「非営利目的」でコーヒーを販売している会社です

の2パターンを用意。つまりビジネスの内容は同じでも、営利か、非営利かで、どんな違いがでるか調べたんですね。

結果はもちろん、営利目的なら「社会に害悪」「メリットがない」と思われたとのこと

くっそ

たとえば、ユーチューバーのチャンネルが内容は以前と変わらなくても、儲けだしたり、メンバーシップを始めた途端に叩かれるのはこういう心理らしい。

とどのつまり、人は活動内容より「営利目的か否か」で評価を変えるのだ、ということ。

マルクス主義が大流行したのも納得ですね。

とはいえ、生産者が対価を得なければ崩壊するのが社会

たとえばラーメン屋が「利益はいただきません!ラーメンを提供したいだけなんです(キリッ」なんて言ってたら、店がつぶれるわけです。

ラーメン屋も不幸になるし、その店のラーメンが本当に好きで足しげくかよっていた客も不幸になります。

てことで、研究チームはこの問題を解決する方法を「たった1つだけ」提示しました。

印象を悪くせず対価を得る方法

研究チームいわく、営利目的の活動で印象を悪くしないためには以下が必須とのこと。

  • 営利目的での活動の長期的メリットに目を向けてもらう他ない

なるほど、仮にお金が得られなくても活動を続けたい理念、信念があるとお客に感じてもらえればいいわけですね。

そういえば以前ご紹介した「ヒロマサのお絵描き講座」は、そういった信念がバシバシ伝わってくる本でした。

お絵描きを教えることで対価も得るけど、それ以上に「昔の自分と同じように悩める人の手助けをしたい」という優しさがにじみ出てて好印象を感じたものです。

ヒロマサのお絵描き講座が初心者に超おすすめな本だった件

僕らは本能的に『自己の利益を超越した活動をする姿勢』に感銘を受けるみたいで、心理学では「自己超越目標」といいます。

ちなみに、この『自己超越目標』は、お客だけでなく自分にも影響があるそうな。

「お金」のために活動しない

「お金が目的の活動は長続きしないッ」

顕著バイアスは自分に向けても発動してしまうことがわかっています。

具体的には、お金や評価のために活動するとモチベがポッキリ折れるというデータが昔からあるんですよ。

たとえば本が好きで読んでた子供にお小遣いをあげると、本を好きな気持ちがなくなってしまうのが有名な話。

このような影響はクリエイターのように内向的な人ほど顕著になるとわかっています。

メカニズムはこうです。

「お金」が脳を狂わせるメカニズム
  1. 好きで創作活動をしていた
  2. このとき脳は「作ること」をご褒美として反応している
  3. 「お金や評価」というご褒美をもらえるようになった
  4. 「お金や評価」というご褒美にしか脳が反応しなくなる
  5. 「作ること」が楽しくなくなる

「お金以上の信念があるッ!」と思えない活動は長続きしない。それぐらい、僕らはお金の刺激に弱いみたい。

なるほど、たしかにそうかも

「いいね」のためにも活動しない

「「いいね」のために投稿すると精神を病むッ」

SNSの「いいね」やYou Tubeの「高評価」も、お金をもらうのと同じぐらい精神に刺激を与えることがわかっています。

なので「いいねが欲しい!」「高評価されたい!」というモチベで作品投稿するのも、お金をモチベにするのと同様に脳の報酬系が壊れてしまうので気をつけましょう。

やっぱり「いいねがもらえなくても、自分の活動には価値がある」と思えることが大事みたいね。

では、どんな自己超越目標を持てばいいのか

「人の役に立つことが、最もモチベを上げる」

では最後に、どういう自己目標を立てればモチベーションにつながりやすいのかをお話します。

結論からいうと「他者への貢献」だそうです。

つまり「自分の活動は誰かを幸せにするためにやってるんだ!」という理念があれば、心が折れにくいわけですね。

メカニズムはこうです。

「貢献」がモチベに変わるメカニズム
  1. 誰かのために作品をつくった
  2. 感謝が返ってくる
  3. 「自分は役に立つ価値ある人間だ!」
  4. 自尊心を強くなりイキイキしてくる

アダム・グラントの名著『GIVE&TAKE 与える人ほど成功する時代』によれば、統計では「人に多くを与える人は成功しやすい」ことも分かってるし、積極的に人に貢献しようとする姿勢には、リターンが返ってくるのでWin-Winになりやすいみたいですね。

まとめますと

てことで結論まとめると、以下のようなかんじ。

顕著バイアス対処法
  1. 嫌儲バイアスは誰にでも備わっている
  2. ただ人は「お金を超越した活動」には喜んでお金を支払う
  3. 「他者への貢献」は活動のモチベーションを上げてくれる

営利目的で活動すると一定数の人に嫌がられるものの、ちゃんと価値を届ける活動をしていれば、そこに支援者は集まるってことですね。

  • NG:「誰かに与えてもらおう」「誰かから奪おう」とする姿勢
  • OK:「誰かに与えよう」「お金以上の価値を届けよう」とする姿勢

納得の結論でございます。

もしクリエイターの立場なら「人に価値を提供してるんだ!」と考えれば自尊心を保ててグッド。

もしお客の立場なら好きなクリエイターに投げ銭感覚でお金を届けてあげれば「その人の活動を支えてるんだ!」という自尊心が高まっていいかもしれません。

PS.そういえば昔

そういえば10代の頃に、仲間と一緒にお仕事で北海道にいったんですよ。

んで急に「夕飯代を路上で稼ごう」てことになりまして、突如商店街の前でつたない大道芸をやったんですね。で、ありがたいことに「がんばってね」と投げ銭してくださる方々がいて、なんとか夕飯のジンギスカンを食べることができたのです。

いかに嫌儲バイアスが備わってるとはいえ、人は人に対して暖かいのだと、気づかされた出来事でした。

ということで「自分の作品なんかお金をもらう立場にない…」とは言わず、とりあえずPixivFANBOXなり、You Tubeプログラムなり、試してみる価値はあるのではないかと思います。世の中は意外と、夢を追う人に優しいのです。

PixivFANBOXを始めるなら以下を参考に。無料でスタートできます。

PixivFANBOX入門:使い方からプラン案までスタートの手順を解説